小児科外来では、小児科専門医が新生児から中学生までを標準的かつ正当的な診療を行っています。また、疾患のみならず、育児での悩みや心配事にも気軽にお話出来るような雰囲気であるよう心掛けています。
小児科一般
小児科一般
小児科外来では、小児科専門医が新生児から中学生までを標準的かつ正当的な診療を行っています。また、疾患のみならず、育児での悩みや心配事にも気軽にお話出来るような雰囲気であるよう心掛けています。
子ども達の病気は、詳細な病歴聴取、丁寧な診察、必要時の最低限の検査などで診断できることが多いのが特徴です。
特にご自宅での様子がどのようであったのかは診療を行う上でとても有益です。症状を簡単にまとめたメモや経過表、写真、動画などを持参されると診療の助けになります。
小さな子どもは、ことばで症状を的確に訴えることができません。何となく元気がない、食欲がない、泣き止まないなど、ご家族の「いつもと違う」という直感は大きな病気の発見の一歩となることがあります。乳幼児、特に生後3か月頃までの赤ちゃんで、おっぱいやミルクを飲まない、顔色が悪い、何となく元気がない…「何かおかしい」と思ったら早めの受診を考えましょう。
夜間・休日などで判断に迷うときは「こどもの救急」を参考に、医療機関などに相談してみるのもよいでしょう。
子どもでは37.5度以上を発熱と考えます。発熱の原因で最も多いのはウイルス感染症で、そのウイルスは熱にとても弱い性質をもっています。つまり発熱は自己防御反応であり、自ら高い熱を出すことで病原体とたたかっているのです。そのため急いで熱を下げる必要はありません。からだが病原体とたたかっているので、それをサポートしてあげましょう。熱の高さと病気の重さは必ずしも関係はありませんし、高熱だけが原因で脳の障害は起きません。脳の障害の原因となる髄膜炎や脳炎は、何度も吐く、ぐったりして反応が悪いなどの症状を伴います。
おうちでは…イオン飲料などによる水分補給と、手足が熱く顔も真っ赤になってきたら薄着にし、首や脇の下、足の付け根などを冷やして体温管理を心掛けましょう。
受診の目安…生後3か月未満で38度以上の発熱がある、ぐったりして顔色が悪い、眠ってばかりいる、何度も嘔吐している、けいれんなどが見られたら必ず医療機関を受診しましょう。生後3か月以降で状態が落ち着いていれば、昼間の時間帯に受診しましょう。朝熱が下がっても午後から再び発熱することが多いので、午前中に受診することをおすすめします。
咳の原因は急性呼吸器感染症のことが多いです。しかし、急性喉頭蓋炎やアナフィラキシー、異物誤飲など緊急で検査、治療が必要となる場合もあります。また長引く咳の中には、生まれつきの気道の構造的な異常や副鼻腔炎、気管支喘息など、継続して治療が必要な場合もあります。
おうちでは…部屋を適度に加湿し、鼻水が多いときは自宅での吸引も効果的です。また、水分を少量ずつこまめにとることで、痰が柔らかくなり呼吸が楽になることもあります。
受診の目安…苦しくて顔色が悪い、近くにいてゼイゼイが聞こえる、肩で呼吸し、鼻の穴がびくびくしている(鼻翼呼吸)、鎖骨の上や肋骨の下がくぼんでいる(陥没呼吸)などの症状が見られる場合には受診しましょう。
感染性胃腸炎や便秘症のことが多いですが、腸重積や急性虫垂炎などの緊急を要する病気まで、その原因はさまざまです。経験豊かな小児科医でもその判断に苦慮することが時にあります。特に便に血が混じる場合には注意が必要です。嘔吐や下痢が遷延すると脱水になってしまいますので、適切な水分補給が大切です。
おうちでは…嘔吐後すぐに水分を与えると再度嘔吐してしまうことがよくあります。嘔吐後は1~2時間程度はお腹を休めて、最初はペットボトルのキャップ1杯分から水分摂取をはじめましょう。イオン飲料が最適ですが、嫌がる場合にはりんごジュースやお味噌汁がよいでしょう。母乳はいつもどおりでよく、ミルクは通常の濃さで少量ずつ与えましょう。
受診の目安…嘔吐症状が強く半日以上水分が飲めない、ぐったりしている、口や舌が乾き涙が出ない、血便が出た場合には受診しましょう。
けいれんとは、なんらかの原因により脳細胞が異常に興奮し、本人の意思とは関係なく、からだがビクビクしたり突っ張ったりする状態のことです。熱性けいれん、胃腸炎に伴うけいれん、髄膜炎、脳炎・脳症、てんかんなどがあります。呼びかけても反応がない、白目をむく、唇の色が青ざめる、口から泡をふくなどが見られることが多く、嘔吐を伴うこともあります。短時間のけいれんでは後遺症を残すことはありませんが、けいれんが長引く場合やけいれんの原因によってはすみやかに治療が必要な場合があります。
おうちでは…多くのけいれんは数分で止まります。あわてずに、子どもを平で安全な場所に寝かせ、吐いたものが喉に詰まらないように顔を横に向け、けいれんが落ち着くのを見守りましょう。けいれんはどのくらい続いているか、けいれんは左右対称か、目はどこを向いているか、熱はあるかなどが観察ポイントです。心に余裕があればスマホで動画を撮っておくと診療の際に役立ちます。
受診の目安…けいれんが5分以上つづく、けいれん後30分たっても意識が戻らない、けいれんを短時間に繰り返す、左右でけいれんの強さが違う場合には救急車を呼びましょう。
一時的に出現するかゆみのある赤くて膨らんだ発疹です。およそ数十分から数時間で消失することが多く、丸型、楕円形、地図状に膨らみます。原因としては食物アレルギーが有名ですが、感染や温熱刺激、物理的刺激など色々です。
おうちでは…一部分でかゆみが弱ければそのまま様子をみているうちに自然に引いていきます。かゆみを抑える方法として冷やすのが効果的です。運動や入浴など、からだがポカポカする環境ではかゆみが増しますので控えましょう。
受診の目安…咳や呼吸が苦しそう、ぐったりしている場合にはアナフィラキシーが疑われますので、すみやかに医療機関を受診しましょう。冷やしてもかゆみが強く、自宅で我慢ができない、じんま疹が全身に広がる場合には受診しましょう。
便秘とは、排便の回数または排便量の少ない状態をいいます。赤ちゃんの時期は便の回数が減っても機嫌がよく、お腹が張らず、体重増加も順調であれば問題はありません。
しかし、大きくなると強い痛みでうずくまったり、顔色が悪くなったり、嘔吐することもあります。毎日排便があっても硬いうんちを頑張ってしている時は便秘です。便秘の治療は水分摂取や食事に気をつけ、からだを動かすことが大切ですが、それだけでは改善せずお薬の助けが必要なことも少なくありません。お薬で治すというよりは、排便習慣をしっかり整えることにより便秘症状が改善します。気長に治療することが大切です。
「でべそ」とはおへそが突出し、その中に腸管が飛び出している状態です。でべそを指でつまむと、飲み込んだミルクと空気などが混ざった内容を含む腸管がグジュグジュするのが感じられます。新生児の10人に1人の割合で発生しますが、低出生体重児ではさらに多く見られます。通常は無治療でも1歳で80%、2歳で90%が自然に治るといわれています。
しかし、最近では圧迫療法による治療が見直され、多くのクリニックで治療が行われています。臍ヘルニアが小さいほど、治療開始時期が早いほど治る傾向があります。